2021/10/10、薩摩琵琶・パリ講演無事に終了いたしました。
パリ14区のパリ国際大学都市(Cité Internationale Universitaire du Paris)にある日本館(Maison du Japon)にて、在仏日本人会主催の講演会として琵琶演奏と講演をさせていただきました。
毎年、在仏日本人会がこの時期に主催している希望祭が、新型コロナの影響で2020年は中止となり、2021年も同規模の開催は難しいという判断のもとで講演会になり、琵琶の公演をさせていただくことになりました。この希望祭を楽しみにしていらした皆様に少しでも楽しんでいただければ・・と全力で臨み、気づけば琵琶てんこ盛りの約2時間の講演となりました。
日本館の舞台は、藤田嗣治氏の絵画「欧人日本への渡来の図」が掲げられている素晴らしい舞台。コロナ禍での集会という特別な状況で多くの制限や対策が必要な中、ご準備をしてくださった在仏日本人会の皆様のおかげで、琵琶演奏を存分にさせていただくことができました。当日は祇園精舎の鐘の声・・・から始まり、コロナ収束を願った「肥後アマビエ(荻山泊水作)」、天下泰平を歌った「蓬莱山(ほうらいさん)」から、フランスゆかりの大山巌さんと大山捨松さんのお話、最後は日本への旅気分と天からの力を授けていただきましょうと「鞍馬山(くらまやま)」を演奏いたしました。琵琶の曲は一曲一曲が長いのですが、それぞれの前後談や余談を知るともっと楽しいのですが、普段の演奏会ではなかなか時間的な制約で、一つ一つの曲や琵琶についてお話を深めることができないのですが、今回はお話の時間も多めにとることができ、より琵琶や琵琶歌を楽しんでいただけたのではないかと期待しています。
コロナ禍の制限で上限60名までということでしたが、満員のお客様においでいただき、暖かく長時間お聴きいただきましたこと改めて感謝いたします。また1日もはやくこの状況が収束し、希望祭が再開されることをお祈り申し上げます。
ご来場くださった皆様、在仏日本人会の皆様、ありがとうございました。
パリ公演のご案内
薩摩琵琶×神に愛された偉人たち
■ご予約方法
■と き 2021年10月10日(日)16:00〜18:00
■ところ Maison du Japon(パリ日本館)
7 C Bd Jourdan, 75014 Paris, FRANCE
ご希望の方は上記メールアドレス宛にメールでお申し込みください。
薩摩琵琶で楽しむ秋の夜長。
ギター、バイオリン、全ての弦楽器の元になったと言われる古代ペルシアのバルバット。
多くの楽器が派生したこの楽器の原型に大変近い形で残っているのが日本の琵琶です。
盲僧琵琶や平家物語、はたまた果物の枇杷に琵琶湖。
日本人には馴染み深い・・と思われがちな琵琶という存在は、実は風前の灯の状態です。
日本でさえ演奏家が減り、琵琶の演奏を聞くことは珍しいことになってしまいました。
私の演奏する薩摩琵琶は楽琵琶に次ぐ大きなサイズのもので、勇猛果敢な歌を得意としています。
当日は薩摩琵琶らしい曲の他に、世界的に有名なあの曲のルーツとなった薩摩琵琶歌など、
琵琶にまつわる楽しいお話と共に琵琶を見て、聴いていただければと思います。
妖しの者に好まれるなどとも評されるこの琵琶という楽器。
近くで聞くと第六感に響く特別な響きが聞こえるのかもしれません。